BMWが高額の投資を行って開発したKERSが来シーズンに復活する可能性はほぼゼロであるようだ。来シーズンのF1はビッグチームの多くがKERSを復活させる予定だが、中団グループ以下のチームは基本的には使わない方針にある。その中でトップチームに近いリソースを持つザウバーの動向が気になるところだが、彼らは依然として決断を下していない。現時点ではKERSを使うかどうかは決め切れていないという。しかし、KERSを使うとしてもBMWザウバー時代に開発したものは使わない方針であるようだ。
現在のザウバーにとってKERSの選択肢は3つある。1つが使わない。2つ目がフェラーリ経由でマニエッティ・マレリ社製のシステムを購入する。3つ目がBMWザウバー時代に開発されたものを使う、という選択肢だ。
しかし、チーム代表であるペーター・ザウバー氏は3つ目の選択肢について「空冷であまりにもデメリットが大きいんだ」とし、絶対に使うことはないと語っている。ということは必然的にフェラーリ経由か使わない、の2択になる。
来シーズンのマシン開発の根幹にも関わる問題だけに早期決定がなされる予定だが、どうなるのか注目だ。
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nien)
HRT F1チームはブルーノ・セナ、カルン・チャンドックという2人のレースドライバーに加えて、山本左近、クリスチャン・クリエンら2人のテスト&リザーブドライバーも抱えている。左近、クリエンは基本的に金曜日フリー走行1回目のセッションで時々走行機会を与えられることになっている。ところが、今週末、突然左近がセナに代わって週末のレースに参戦することが決まった。正に驚きの展開だが、この件に関して裏の事情はハッキリとは見えていない。
噂では財政的に厳しい状況にあるセナとは対称的に、豊富な資金を確保した左近がチームに500万ユーロを提供したと言われている。これにより左近はレース復帰を叶えることができた、というものだ。
しかし、チームは左近のレース復帰はイギリスGPだけであり、ドイツGP以降は再びセナがシートに戻ると発表。
結局噂の信憑性は確かめられていない。
それでもこの緊急事態にセナサイドはあわてているようだ。セナ、彼のマネージャーであるクリス・グッドウィン、姉のビアンカ・セナがチーム代表であるコリン・コレス氏、オーナーのホセ・ラモン・カラバンテ氏とともに緊急ミーティングを開いたという。この結果ドイツGP以降でセナが復帰することが発表されている。
セナは今回の件についてブラジルのテレビ局「Globo」に対してこう述べている。
「これは内部的な決定だったんだ。彼らはしばらくの間左近にチャンスを与えようとしたがっていた。僕らのチームには4人のドライバーがいるからね。僕だってここでレースをしたいと思っている。大好きなトラックだし。でも、重要なことは、僕がドイツGP以降でレースに戻るということだよ」
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今週末のイギリスGPで突然のレースドライバー復帰を果たした山本左近にファンも驚いているはずだが、自身も公式ブログで今回の件に関して応援してくれている方へ感謝の気持ちを述べている。左近の復帰に関してはとりあえずは今週末の一戦限りのようで、ドイツGPからは再びブルーノ・セナがドライブするものと見られている。しかし、今回のようにF1、特に小規模チームでは何が起こっても不思議ではない。左近がシルバーストーンで良い結果を残すことができれば、また、懸念されるセナの財政状況次第では続けて参戦という可能性も完全には否定できない。
まずは左近のパフォーマンスに注目といったところだろう。必要なのはカルン・チャンドックを上回るペースだ。
左近は公式ブログで次のように述べている。
「たくさんのコメント、メッセージありがとうございました! 無事に誕生日を迎える事ができました。 そして、皆さんご存知の通り、今年はとてもユニークな誕生日となりました。これもいつも応援してくれる皆さんのお陰です。本当にありがとう! 今週末はしっかり集中して頑張りたいと思います!あ、バタバタしてて、書くって言った28歳の目標は来週落ち着いたら書きます!(笑) 夢へ挑戦することの大切さや、素晴らしさを僕自身の経験を通じて少しでも多くの皆さんに伝える事ができたら嬉しいです。頑張ります!本当にありがとうござます!」
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チームにとってもルイス・ハミルトンにとっても、そしてジェンソン・バトンにとっても母国グランプリとなるイギリスGPの週末を迎えたマクラーレンだが、初日金曜日の取り組みは失敗に終わった。新型ディフューザを投入したものの、良い結果を得られず急ぎ通常版へ戻す作業に取り掛かっている。土曜日、日曜日のセッションでは通常版に戻される。
新型のディフューザは排気吹き付けタイプのもので、新しいアップデート・パッケージの目玉だった。
ところがハミルトンもバトンもこのパッケージの操縦性とセットアップの難しさを訴え、僅かな時間で取り外されることになってしまった。バトンは次のように述べている。
「今日のマシンは思っていた以上に難しかったよ。とにかく新しいパッケージではセットアップができなかったんだ。とにかくやるべきことは山積みだ。特にサーキットの何箇所かでドライブしにくくなってしまう。もちろん特定の部分では前進していると思うけど、バランスが悪い」
マクラーレンは結局、通常の排気管のパッケージへ戻す作業に取り組んだ。新型は今後再び改良が施され、ドイツGPのセッションで投入される見込みだ。
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現地時間9日にシルバーストーン・サーキットで開幕したイギリスGPのフリー走行でザウバーはやや不安を感じる週末のスタートとなった。小林可夢偉は1回目のセッション終盤に電気系統のトラブルに、ペドロ・デ・ラ・ロサはバランスに苦しんだ。可夢偉のトラブルは2回目のセッションにまで尾を引き、若干の時間をロスしてしまう。しかし、タイヤのコンパウンド比較や新しいセクター3の対応は問題なくこなすことができている。翌日以降のセッションで遅れを取り戻して欲しいところだ。
以下、可夢偉、デ・ラ・ロサ、キー氏のコメント。
■小林可夢偉
フリー走行1回目:15番手
フリー走行2回目:14番手
「午後のセッションでは少し走行できない時間があったので、そこからはプログラムをキャッチアップすることに専念しましたが、特にショートランなどはうまく消化できたと思います。現時点ではもっと全体的なペースを上げなければいけないと思いますが、クルマのバランスはそれほど悪くはありません。アンダーステアが少し出ているだけなので、クルマのセットアップで対応できると思います。タイヤについては僕としてはどちらのコンパウンドも特に問題はありません。コースの新しいセクションは少しバンピーで汚れていましたが、明日からはもっときれいになると思います」
■ペドロ・デ・ラ・ロサ
フリー走行1回目:16位
フリー走行2回目:17位
「今日はあまりいい一日ではなかったね。マシンのフロントが機敏に反応してくれなかったんだ。とても酷いアンダーステアが発生している。特に高速、低速コーナーで悪化するんだ。マシンを曲げるのが難しいし、これからデータを分析して解決していかなければならない」
■ジェームズ・キー:テクニカルディレクター
「今日は忙しい一日だった。午前中のフリー走行1回目では、路面が非常に滑りやすい状況だったので、そこまで多くの仕事はこなさなかった。今年から加わったコースの新しいセクションは面白いと思うが、従来の路面とこの新セクションの路面のグリップレベルの差が大きい。可夢偉のクルマのトラブルは、実はフリー走行1回目の最後に発覚し、当初はエンジン関連の症状にも見えたが、フリー走行2回目の走り始めに電気系統の問題だったと判明した。ともかく今のチームの目標は低速と高速を安定して走ることができるクルマのバランスをみつけることだ」
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