ヨーロッパGP決勝レースでの小林可夢偉のパフォーマンスは素晴らしかった。多くのファンが「これを待っていたんだ!」と喜んだはずだ。レースの大半を3位のポジションで過ごした可夢偉は、ピットでのタイヤ交換後に入賞圏内に留まれるよう、タイヤをコントロールしつつペースをキープ。終盤のタイヤ交換後に9位のポジションでコースに復帰した可夢偉は最後の2周で前を行くフェルナンド・アロンソとセバスチャン・ブエミをパス。自力で7位にまで順位を上げて獲得できるポイントを増やすことに成功した。このパフォーマンスにはチーム代表ペーター・ザウバー氏も手放しで褒め称えた。
ここではこのレースに関する可夢偉のレポートの概要を紹介したい。以下、その概要。
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最終コーナーでブエミを抜いたとき、実はあれが最終ラップって知らなかったんです。まだあと、1〜2周はあるだろうと思っていたんですけど、そうしたらピットウォールでチームのみんながすごい勢いで手を振っていたので、あ、もう終わりなんやと (笑)。
決勝ではペドロと戦略を分けて、僕は硬い方のプライムタイヤでスタートして、できるだけ長く走って、路面がよくなるレース終盤に柔らかい方のスーパーソフトに履き替える作戦にしました。正直、あそこまで行けるとは思っていませんでしたけれども。
3番手を走っているときのペースは、正直自分でも驚いています。とにかく周りのペースにまどわされずに自分のペースでタイヤをマネージメントして、オーバードライブしないように気をつけていました。毎ラップどんどん速くなっていくので、去年トヨタでレースをしたアブダビを思い出しました。途中、前で周回遅れの2台がバトルしていて全然譲ってくれないし、目の前でぶつかるし、僕も巻き添えで追突しそうになりました。あのときが一番ドキっとしましたね。
53 周目のピットインは、正しい判断だったと思います。もしかしたらもっと早く入って抜きにいく方向でもよかったかもしれないですけど、それは終わってからのことなんで。アロンソはあそこで抜こうと思っていたんですけど、いまいちスピードが伸びなくて、ストレートエンドで思っていたほど近づけなかったんです。 ただ、彼のブレーキングがすごく早いのは分かっていたので、飛び込んだら最初はドアを締めてきたんですけど、うまく抜けました。ブエミも最終コーナーで狙っていました。とにかく最終的に抜けたのはよかったですね。
予選があんな結果だったし、僕はレースは週末通しての評価だと思っているので決して満点ではないです。ただ、順位よりも今回はレースでうまくタイヤを使えたというのがうれしい。F1のタイヤは使い方はすごくむずかしくて、また違うコースにいくと違う使い方がある。だからこれからのレースでも僕たちは何ができるかを探して、それをきちん実行できれば、もっとチャンスがあると思います。
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(記事:
nien)
今シーズンからF1に新規参戦したロータスが来シーズンもコスワース・エンジンを使うことが確定的になったようだ。コスワースのマーク・ギャラガー氏が明らかにした。彼はドイツの「Auto Motor und Sport」に対して、「我々は全ての新規参戦チームと同じくロータスとも3年間の契約を結んでいる」と述べ、契約が来年以降も存在することを公表した。しかし、コスワース・エンジンを使っているチームはエンジンに対して不満の声を上げているという話もある。
ロータスも実際にメルセデス、ルノー、フェラーリエンジンへのスイッチを検討していたようだ。ギャラガー氏はロータスのチーム代表トニー・フェルナンデス氏がその事を明かしたと語っている。
「彼は私に3つのエンジン・サプライヤーと交渉したことを明かしてくれた。しかし、彼は来年も我々と共に戦うつもりだと言ってくれた」
ウィリアムズもコスワース継続が基本線だと見られている。
しかし、3年間の契約が存在しているからといって必ずしもその通りにならないこともあるため、来年になってみないことには実際のところはわからない。ウィリアムズも契約は存在するものの、変更の可能性は否定していない。
(記事:
nien)
カナダGPの決勝レースがタイヤ戦略の面で非常に目まぐるしい展開を見せたことは多くのファンが覚えているはずだ。このレースはピレリのタイヤ開発の方向性を決める一つのキッカケになったようだ。彼らは非常に耐久性の高いタイヤを供給するよりも、ある程度の周回でパフォーマンスの落ちるタイヤを供給することで、レースのエンターテインメント性が高まるようだ、と考えているようだ。ショーの要素とパフォーマンスのバランスを見極め、ちょうどよい部分を探っていきたい、としている。
ピレリの競技ディレクター、ポール・ヘンベリー氏はReuter通信に対して次のように述べている。
「我々はショーを作り出したいと思っているんだ。一人のファンとしてカナダの戦略はとても面白く感じた。これはタイヤメーカーとしてよいアプローチではないと考える人もいると思う。我々はレース全体の距離に耐えられるタイヤを作ることもできる。しかし、ショーとのバランスを見つける必要があると思っている。多少ショーの方に視点をおきたいと思う」
(記事:
nien)
来シーズンも引き続きルノーに残留することが確定的なロバート・クビサだが、2012年には他チームへ移籍する可能性があるようだ。少なくとも彼のマネージャー、ダニエレ・モレリ氏は2012年の移籍が一つのターゲットだと明かしているようだ。彼は「来年のことはもう考えていない。今考えているのは2012年だ」と述べており、「GPWeek」などはレッドブルが候補だろう、と伝えている。
来シーズンへ向けたストーブリーグはとても静かだ。
フェラーリ、レッドブルは確定し、メルセデスGP、マクラーレンも変わらない予定。そのためクビサは移籍したくともできない状況にあり、また、その他のチームと比べるとルノーは競争力の面で優位性を持っている。クビサの2年連続でのルノー在籍はほぼ確定的だ。
一方で2012年に関してはわからない。レッドブルとマーク・ウェバーの契約は1年間の更新であり、2011年末には切れる。シートが空く可能性は十分あり、クビサが入り込む余地はある。2012年シーズンにレッドブルとルノーのどちらが速いかと問われると、決して確かな答えは返せないが、レッドブルの方が有望と見る声は多いだろう。
また、クビサは来シーズンに向けたルノーとの契約について次のように述べている。
「僕はすぐにも決断しなければならないだろうね」
近いうちにルノー残留が正式発表される可能性が高い。
(記事:
nien)
ウィリアムズは今シーズンも中団グループで厳しい戦いをしているが、コスワース・エンジンが足を引っ張っているとの見方もある。そのため、彼らが契約を解消し、来シーズンからルノー・エンジンへスイッチするのではないか、との噂が流れている。契約上はコスワースと3年契約を締結しているため、仮に解消した場合には違約金が生じるだろう。それでもパフォーマンスには代えられないため、変更の可能性はゼロではないようだ。
ウィリアムズのCEO、アダム・パー氏はこの件について次のように述べている。
「例えばだが妻と口論したとしよう。お互いに共通の話題で口論している。今の状況はそれと同じだよ。我々は現時点ではエンジン・サプライヤーを変更するつもりはない。そういう考えもない。しかし、変更の可能性は除外するつもりはない」
パー氏はコスワース・エンジンの操縦性やパフォーマンスに関する不満について夫婦の口論に例えてコメントした。コスワースとはエンジン・パフォーマンスの改善に関した話し合いはしているようだ。
(記事:
nien)