アメリカンチーム設立の夢は叶わなかった。ピーター・ウィンザー氏とケン・アンダーソン氏が数年温めてきた計画は最終的にシーズンを迎える前に資金難で頓挫し、参戦は叶わなかった。そして今、ファクトリーに残っていた機材の競売が始まった。これらが売りさばかれた後は、もう何も残らない。
競売は現地時間の10日午前中から始まり、オフィス用品、トラックなど様々なものがリストアップされている。
マシンを構成するパーツや直接的に関係するものは少ない。シャシーのモックアップ、シャシーの鋳型、ホイール程度のようだ。やはり根本的にマシン製作のスケジュールはストップしていたようだ。
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nien)
Fダクトの開発に力を入れて取り組んでいるレッドブルだが、開発は難航しているようだ。レースへの実戦投入は数戦先になる可能性があることが浮上している。これまでのグランプリでもフリー走行でテストされてきたデバイスだが、完全にモノになるまでにはまだ時間を要するという。フィンランドの「Turun Sanomat」紙は、実戦投入は早くてドイツGPではないか、と予想している。
しかし、ヨーロッパGP、イギリスGPのフリー走行で再度実走テストが行われる可能性は高いようだ。
その後、データを分析し、最終的にはドイツGPで実戦投入されるかもしれない、という。
Fダクトはマクラーレンが導入した後にトレンド化し、各チームがコピーし始めているが、どのチームもマクラーレンのオリジナルデバイスほどの効果は得られないでいる。レッドブルも同様に苦労している。それでも、完全に機能するFダクトが投入されればレッドブルの優位性はさらに確かなものになるだろう。
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2010年シーズンのレース参戦こそ叶わなかったものの、ヴァージン・レーシングのテスト兼リザーブドライバーの役を射止めることには成功したアンディ・ソチェック。2009年シーズンのF2でタイトルを獲得し、昨年末に開催された若手ドライバー向けテストでもまずまずのパフォーマンスを披露。ストーブリーグでも何度か名が挙がり、レースシート獲得の可能性もあったが、最終的にはテストドライバーとしてF1に入った。ところがこれまで彼には一度もドライブ機会が与えられていない。他チームに視線を移せば、HRTのクリスチャン・クリエン、山本左近ら何人かのドライバーがフリー走行でのドライブ機会を得ている。ソチェックにはいつそのチャンスが訪れるのか?
契約上は最低でも何度かのドライブ機会が与えられることが保証されているはず、と見られている。
ソチェックはドライブ機会について次のように述べている。
「僕はシーズンの終わりには2日間テストできる契約だ。でも、今の所はサードドライバーについて考えるよりも別の問題があるんだ」
彼はF1でレースをできるチャンスがないようであれば、別のシリーズへの参戦も検討するようだ。
「(ドライブ機会を与えてほしくて)毎週チームのCEOにメールを送って催促しているんだけどね。僕の契約は一年単位になっている。レースシートのチャンスはあるかもしれないけど、他の選択肢もあると思う。インディカーの可能性もある。お金を稼ぐことができるのであれば他のシリーズもありえる。僕はレースでしっかりとお金を稼ぎたいと思っている。もう14年もやってきて、今はそういう時期だと思う」
今シーズン念願のF1レースシートを手に入れたルーカス・ディ・グラッシは上手くいけば来シーズンも継続参戦する。ティモ・グロックは複数年契約のため残留が基本。となると、ソチェックにはヴァージンでレースをするチャンスはほぼない。かといって他チームのシートが得られる可能性も決して高くないだろう。ソチェックは最終的にどういう判断を下すのか?
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F1界のコスト削減は2010年、2011年と推し進められているが、メルセデスGPはチームの運営予算を来年10%カットすることを検討しているようだ。現時点ではまだ検討段階に過ぎないようだが、ドイツGP後に来年度の予算の再検討が行われ、10%削減することを目指したものが組まれるだろう、と予想されている。
フランス人解説者ジャン・ルイ・モンセ氏はフランスの「Auto Plus」でメルセデスGPが10%の予算削減を目指している、と述べている。また、7日に開催された取締役会でF1予算に関する議論が行われた模様だとしている。
メルセデスはメルセデスGP、マクラーレン、フォース・インディアの3チームに対してエンジンも供給しており、F1関係全体で見れば莫大な予算を掛けている。世界的不況は依然として続いており、決して本業の自動車販売で楽な状況にあるわけではない。メルセデスGPはミハエル・シューマッハを獲得したことで世界中から大きな注目が集まっているが、今シーズンに関してはチャンピオンシップで苦しい戦いが続いている。ドライバーズ、コンストラクターズ、共にタイトル獲得は厳しい。シューマッハは2010年以降の3シーズンの中でタイトルを獲得できればいい、と考えているようだが、チームの予算削減が競争力低下となって現れては意味がない。
10%削減された予算の中でメルセデスGP首脳陣がどのような舵取りをしていくのか注目となる。
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