2010年6月1日のニュース
GP2のチームARTを率いるニコラス・トッド氏が2011年のF1参戦を目指し、ザウバーとの合併を画策しているとの話が浮上し、それが過熱している。彼は先週スイス、ヒンウィルにあるザウバーのファクトリーを訪問した。これにより話が過熱したわけだが、ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバー氏はトッド氏との合併交渉は否定している。ザウバー氏はチームを売るつもりはないと主張しており、ARTとの関与は否定した。
ザウバー氏によればトッド氏の訪問は合併交渉目的ではなかったのだという。そして、彼とは今でも良い関係にあるようだ。ザウバー氏は「motorsport-aktuell」に対して次のように述べている。
「私は彼の父親だけでなく、特にフェリペ・マッサを通じてニコラスとは良い関係にある」
トッド氏はフェリペ・マッサのマネジメントも務めており、マッサはかつてザウバーに在籍していた。
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nien)
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マクラーレンの1-2フィニッシュで幕を閉じたトルコGP決勝レースだが、中盤まではレッドブルのマーク・ウェバーの勝利を疑うことはなかった。しかし、セバスチャン・ベッテルとウェバーの接触によってマクラーレンにチャンスが巡ってきた。トップを走るルイス・ハミルトンには終盤、ジェンソン・バトンとの攻防が待っていたが、何とか抜き返し、今季初勝利を飾った。
今回のレースを終えて、ブリヂストンの安川氏、浜島氏は次のように述べている(リリースより)。
■安川ひろし:ブリヂストン モータースポーツ推進室長
「今回は非常にエキサイティングなレースになりました。優れたパフォーマンスを見せたボーダフォン・マクラーレン・メルセデスとレッドブル・レーシングにお祝いを申し上げます。難しいコーナーと興味深い傾斜があるイスタンブール・パークは素晴らしいレースを可能にしてくれます。世界中の視聴者の前で、我々のタイヤの力強い性能を証明することができました。我々が目の当たりにした興奮は、レースを観た誰もが感じたことだと思います。ブリヂストンは地元トルコに加え、南アフリカからもゲストを迎え、この最高のレースを共に楽しむことができました。ブリヂストンのお客様やディーラーの皆さんに今回のレースを楽しんでいただけたことを非常に嬉しく思います」
■浜島裕英:ブリヂストン MS・MCタイヤ開発本部フェロー
「今日、イスタンブールで我々が目にしたのは、まさにターキッシュデライトと言えるでしょう。トップグループではどちらのコンパウンドもかつてないほどの接近したペースを見せ、これがレースをエキサイティングにしてくれました。今シーズンはエアロダイナミクスが益々進歩し、クルマの重量も重くなっていますが、我々のタイヤは、モータースポーツ有数の過酷なコースで優れた性能を発揮しました。安全を常に一番とする我々にとって、このレースに安全なタイヤを提供することができたのは誇りです。また、今回我々は多くの選手にとっても性能を発揮しやすいタイヤを供給できました。これは、最後から2周目にルノーのペトロフ選手がソフトコンパウンドでレースの最速ラップタイムを記録したことや、レッドブルやマクラーレンが常に接近した戦いを見せてくれたことからも分かります。ブリヂストンが戦った数多くのグランプリの中でも、今回のレースはわたしの記憶に長く留まるレースとなるでしょう」
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ザウバーにとってようやくシーズンの本格的スタートと言ってもいいのかもしれない。やっと2台揃って上位で完走した。トルコGPの予選、決勝レースと中団グループで確たる競争力を発揮することに成功した。10位入賞を果たした小林可夢偉だけでなく、ペドロ・デ・ラ・ロサも可夢偉の背後で11位完走だ。これまでのザウバーはマシントラブルに苦しんできたが、今回は2人とも完走だ。
以下、可夢偉、デ・ラ・ロサ、ペーター・ザウバー氏、ジェームズ・キー氏のコメント。
■小林可夢偉
決勝レース結果:10位
「今年初めて2台そろって完走でき、そして初ポイントを獲ることができて本当にうれしいです。スタートは路面が汚れている列からのでスタートでしたが、出足もよく、序盤のペースもよかったです。ソフトタイヤの最初のスティントを短くする難しいレース戦略をとったのは、僕たちのペースはハード側のタイヤの方がよかったからです。そのため10周目にピットインして、残りのレースを1セットで走り切ることにしました。レース終盤には右フロントタイヤのベルトが見えてきたので、とくにターン8など、とにかく気をつけて走りました。エイドリアン・スーティルに抜かれた時にそれほどディフェンスしなかったのもそのためです」
■ペドロ・デ・ラ・ロサ
決勝レース結果:11位
「序盤は燃料が重く、アンダーステアが酷かったんだ。だから後からチャンスがめぐってくるのを待ち、スピードをコントロールしていた。燃料が軽くなってからはバランスも良くなり、フロントのグリップもついてきた。僕もチームメイトが前でなかったら、アタックに行っていたと思う。でも、チームは何としてでも2台を完走させて、ポイントを獲る必要があった。リスクを冒すには注意する必要があるし、今回はリスクを冒して全てを台無しにする可能性を避けるべきだった。ポイントが他チームに行くよりは僕らのところにあるべきだからね。僕らは競争力を示すことができてよかったよ」
■ペーター・ザウバー:チーム代表
「今週末すべての結果は、バルセロナでみせたようにチームが上昇気流にあることを証明している。もちろんレースはラッキーな面もあったが、ようやく2台揃って完走して、待望のポイントを獲得することができた」
■ジェームス・キー:テクニカルディレクター
「このレースでポイントを獲得できてうれしい。それにようやく2台揃って完走することができた。レースはいろいろとイベントに満ちたものだった。序盤はとにかくトップ10と遜色ないペースで走る事だったが、可夢偉は非常にうまく走り、アロンソについていってくれた。戦略面では2台とも早めにピットインさせることにしていた。とくに可夢偉のタイヤはQ3でも走ったことで数周分すでに使っていたこともあるが、この戦略は間違いではなかっただろう。ただ、可夢偉はピットストップで時間を2秒ほど失ってしまった。このロスがなければ彼はもう少し前のポジションでコースに復帰できたはずだ。レースの終盤はフロントタイヤの摩耗が激しく、ラップタイムもかなり落ち込んだため、ペドロや他のドライバーが差をつめることができたが、ともかく10位と11位でフィニッシュしたことはチームの誰もが望んでいたもので、全員が大変喜んでいる」
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F1のカレンダーが今後数年の後に24戦程度まで拡大した場合の物流の問題を懸念し、ウィリアムズのCEOアダム・パー氏を始め、いくつかのチーム首脳陣は金曜日のセッションの廃止を望んでいるとされている。ところが、一方でサーキット関係者、F1の興行権を担うFOM会長バーニー・エクレストン氏らは消滅を望んでいない。シルバーストーン・サーキットの首脳陣も同様に金曜日セッションの重要性を唱えている。
シルバーストーン・サーキットのマネージング・ディレクター、リチャード・フィリップス氏は次のように述べている。
「シルバーストーンの金曜日は盛り上がるんだ。もしも無くなったりしたら観客が減ってしまうだろうね」
また、同サーキットの会長ニール・イングランド氏も同様に金曜日のセッションの廃止に反対している。彼は昨年の金曜日のセッションに8万人もの観客が訪れたと指摘している。その為、廃止する理由などない、という。しかし、チーム側とすれば、24戦になった場合、インターバルなしの期間が増える為、スケジュールに合わせたマシンや設備の輸送が困難になると指摘している。
最終的にどこまでカレンダーのグランプリ数が増えるのか、結局はエクレストン氏の手中にあるのだろう。
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トルコGPの決勝レースはレッドブル、マクラーレンのドライバーらがチームメイトバトルを繰り広げたことで終盤に大きな見所があった。しかし、ヒヤッとする瞬間はあったもののマクラーレンの2人はクラッシュに至るような展開にはならず、1-2フィニッシュを達成。一方でレッドブルはセバスチャン・ベッテルがリタイアし、マーク・ウェバーもトップから3位に転落した。2人で大量のポイントを失ったことになり、チームも失望を隠せなかった。
2人のドライバー間にはわだかまりが生じそうなものだが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコ氏はウェバーを批判している。
マルコ氏はドイツの「RTL」に対して次のように述べた。
「マークは無線でピットに対してストレートではベッテルよりも遅いと言っていた。彼はハミルトンがベッテルに対して強烈なプレッシャーを掛けていることを知っていた。ベッテルは彼をオーバーテイクできるほどに速かった。ウェバーとベッテルが同時にブレーキングしていれば、今度はハミルトンがベッテルを抜いていただろう」
また、チーム代表クリスチャン・ホーナー氏もウェバーに問題があったと指摘している。
「彼はセバスチャンに対して十分なスペースを残さなかったように見えた。ベッテルが横に並び、前に出たことは確かだった。彼ら二人と話をする必要があるよ」
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ザウバーは今シーズンようやく初の入賞を果たした。小林可夢偉が予選でQ3に進出して10番グリッドを獲得。決勝レースでは運にも恵まれ何とかそのままのポジションでフィニッシュ、貴重な1ポイントを獲得した。また、自身今季2度目の完走となり、ザウバーにとってはペドロ・デ・ラ・ロサも可夢偉の直後の11番手で完走を果たし、今シーズン計4回目の完走となった。マシントラブルに苦しんできたザウバーにとって2台揃っての完走も嬉しい結果。
しかし、デ・ラ・ロサにとってはやや不満の残るレースだったかもしれない。
後半ペースに苦しんだ可夢偉に対してデ・ラ・ロサは彼の背後にまで迫った。このレースではレッドブルの2人、マクラーレンの2人など、チームメイト対決が目立っただけに終盤の可夢偉とデ・ラ・ロサにも注目が集まったが、彼らは激しいバトルにはならず、そのままの順でフィニッシュした。
だが、これはチームからの指示だったようだ。
デ・ラ・ロサはスペインの「Marca」紙に対して次のように述べている。
「今回競争力があったことはとても嬉しいよ。ただ、もう少し良い結果を望んでいた。ポイントまで後一歩だったからね。でも、その相手がチームメイトのときは難しいよ。自分自身の気持ちを抑える必要があったし、僕としてはアタックしたかったんだけど、無線では違うことを言われたからね」
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