2010年4月30日のニュース
2度のワールドチャンピオン、ミカ・ハッキネンがF1の現場に帰ってくる可能性が高まっている。ルイス・ハミルトンは今年、父親であるアンソニー・ハミルトン氏のマネジメントから離れ、完全に独立することを決めた。現在は彼に代わる新たなマネージャーを探しており、その最有力候補にハッキネンが挙げられているようだ。この話はアンソニー氏からの離脱が決まったときから噂され続けてきたが、実際に交渉は大詰めを迎えているという。
ハッキネン自身、25日に次のように述べている。
「マネージャーとしてF1に復帰するかもしれない」
ハッキネンは自分自身の現役時代のマネージャー、デディエ・コトン氏が取締役を務めるアセスマネジメント・グループに現在は所属している。すでに若手F3ドライバーのマネジメント業務も行っており、キャリアを進めている段階にある。彼にとってもハミルトンのマネジメントは大きな仕事になるだろう。ハミルトンは英国ドライバー史上で最高の生涯収入を稼ぎ出すことになると予測されているからだ。
また、ハミルトンにとってはマクラーレンで2度のタイトルを獲得したハッキネンはアドバイザーとしても有益な存在になると見られている。ハミルトンはデビュー時から精神面のコントロールに難があると指摘されており、今シーズンも安定感に欠くとの声がすでに出ている。対照的にジェンソン・バトンは非常にスムースで一環したコンディションでグランプリに望んでいる。この対照性も最近のバトン好評価につながる要因のひとつになっている。
実際にハッキネンがマネジメントを担当するようになれば、心強い味方になるかもしれない。
イタリアの「Tuttosport」紙は近いうちにハッキネンとハミルトンの間で正式な契約画結ばれると報じている。
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nien)
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最近になってペドロ・デ・ラ・ロサの解雇の噂と共にザウバーの資金不足が現実的な問題になりつつあるのではないかとの声が上がり始めている。しかし、チーム代表であるペーター・ザウバー氏はそれを否定している。スポンサー探しが重要なことは確かだが、それは主に2011年シーズンに向けてのものだと主張している。
ザウバーはデ・ラ・ロサを解雇し、後任に持参金が期待できるドライバーを据えるのではないか、との噂が流れている。
具体的にはベネズエラ人ドライバーのパスター・マルドナド。もしくはルカ・フィリッピだ。
表向きの理由はデ・ラ・ロサのパフォーマンス不足ということになるだろうが、実際には資金不足を補うためだと考える声もある。しかし、ザウバー氏はそもそも今シーズンの資金は問題ないと強調している。
「私が11月末にチームを買収したときにはスポンサーどころかグリッドの場所すらなかった。私は全てを承知の上でプロジェクトを始めた。マシンも真っ白だったね。だが、C29がこれほどまでに遅いとは思っていなかった。それにシーズン序盤の時点で2010年のメインスポンサーを見つけられているとは考えていなかったよ。財政的には今シーズンは保証されている。我々が2010年のスポンサー探しを諦めたとは言わないが、新しいスポンサー探しは主に2011年に影響することなんだ」
ザウバーは新しいテクニカル・ディレクター、ジェームズ・キー氏を迎え入れて中長期的な開発方針を決めることに取り組み始めている。と同時にC29の改善にも取り組んでいる。ザウバーの開発陣の仕事振りがそのまま小林可夢偉、デ・ラ・ロサのパフォーマンスにも直結してくるため、気になるところだ。
また、ザウバー氏は問題ないと強調するが、やはりひとつでも多くのスポンサーがつくことは重要だ。
スペイン自動車連盟会長カルロス・グラシア氏もデ・ラ・ロサのスポンサー探しに協力しているが、現状では厳しいようだ。
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nien)
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ピレリがとうとう声明を発表した。彼らは2011年シーズンからのF1タイヤサプライヤーに正式に名乗りを上げた。F1はブリヂストンの後継サプライヤー探しを続けており、候補としてミシュラン、エイヴォンらが噂されているが、どちらもピレリのようにハッキリとサプライヤーに名乗りを上げたわけではない。特にミシュランはタイヤのインチアップや環境問題対策などいくつかの条件を提示しており、それが叶えられないのであれば供給できないとの姿勢を示していた。
ところがピレリが正式に態度を発表したことで状況が大きく動いてくるはずだ。
ピレリは声明の中で次のように述べている。
「ピレリはF1ワールドチャンピオンシップの全てのチームにタイヤを供給する提案を行う。提案のプレゼンテーションは5月9日のスペインで、グランプリ開催前に行う予定だ」
この中で興味深い言葉は彼らが「全てのチームに供給する」としている点だ。ミシュランは全てのチームへの供給は考えていないことを表明している。彼らは複数メーカーによって供給を分け、再びタイヤウォーズが始まることを望んでいる。また、コスト面を考えても全チームへの供給は厳しい。これはピレリも同様で、彼らも開発・供給費用の一部をF1側に負担してもらうことを考えている。また、タイヤのインチアップもミシュランと同じく望んでいる。
一方でエイヴォンは現行のタイヤ規格で引き受けるつもりだと考えられている。
フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリ氏はスペインGP前後に大きな動きがあり、上手くいけば決まるだろう、と語っていたが、ピレリが最有力候補に浮上してきた可能性は十分にあるだろう。とはいえ、ウィリアムズのテクニカル・ディレクター、サム・マイケル氏はスペインGPまでに決まるとは思えない、と述べている。
どちらにしてもスペインGP前に行われるピレリの提案に対してF1側がどう受け取るのか気になるところだ。
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nien)
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かつてのF1ワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブが最近再びメディアに顔を出し始めている。ビルヌーブは今シーズン途中からの復帰のチャンスも考慮し、トレーニングを継続中だ。彼はシーズン途中で誰かが解雇されたとき、自分が後任ドライバーとしてレースシートを得ようと考えている。それが実現するかどうかはわからないが、実現すればミハエル・シューマッハ、ペドロ・デ・ラ・ロサにならぶ復帰組の一人としてブランク後のパフォーマンスに注目が集まるだろう。
ビルヌーブは彼ら2人が復帰したことは自分にとってもプラスだったと話している。それはベテランドライバーの経験が買われ始めていることの兆しだからだという。
しかし、注目していたシューマッハのパフォーマンスについては期待外れだったとしている。彼はカナダの「Rue Frontenac」に対して次のように述べた。
「これは期待はずれだったね。最初は3年間レースをしていなかったドライバーにしてはよくやったと思う。でも、その後は期待外れだ。しかし、彼は優勝しなくてもさまざまな面で貢献できる。7度のタイトルや史上最高のドライバーの一人だという評価は揺るぎないものだからね。それに、ロズベルグが同じマシンで彼に勝つことができれば、ニコの評価は確実なものになるだろうね」
そして、彼はかつてのチームメイト、ジェンソン・バトンについても語っている。特に雨の中でのドライビングに関しては現役ドライバーの中で最高だと評価している。
「ジェンソンは雨の中で常に速かったが、今ではグリッドに並ぶドライバーの中で最高だと認められつつあると思う。これまでその評価はミハエルのものだったが、今の観客にはジェンソンがその立場にいるのではないかと思うよ。しかし、アロンソも素晴らしい。彼はウェットの上海で素晴らしいレースをした」
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nien)
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ルイス・ハミルトンのドライビングはデビュー時ほどではないが今でも批判の対象となることが多い。今シーズンもマレーシアGPでヴィタリー・ペトロフに対してウィービングを繰り返し、中国GPではピットレーンでセバスチャン・ベッテルとやりあった。しかし、これまで彼は実質的にはペナルティを免れてきた。元F1ドライバー、マーティン・ブランドル氏は自分ならばグリッド降格ペナルティを科していただろうとも述べている。
なぜハミルトンに実質的なペナルティが科せられないのか?
フェルナンド・アロンソは自身の考えを明かしている。
「判定に一貫性がなくなっているのだろうね。ほかのレースだったらペナルティだったかもしれない。でも、これは特に重要なことではないよ。ハミルトンが特権的な立場を与えられているという話も違うと思う。とにかく彼は警告は受けているからね。これまでの2レースのこともあるから、次のレースで何かすれば、それがたいしたことではなくてもペナルティを科せられることになると思うよ」
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昨年の王者ジェンソン・バトンが今シーズンの序盤4戦で2戦もの勝利を飾ることを予想していたものはそれほど多くないだろう。しかし、彼は現時点でドライバーズ・チャンピオンシップのトップに立っている。このまま彼が2年連続でタイトルを獲得する可能性もでてきた。そしてバトンは、マクラーレンというチームの特異性にも気づき始めたという。彼はマクラーレンが歴史的な強豪チームなのだと真に実感できたという。以前所属していたホンダ、ブラウンGPと違い、このチームは常にチャンピオンシップを戦うことを経験し続けているのだと。
バトンはチームについて次のように表現している。
「マクラーレンは勝利がどのようなものか真に理解している。彼らは過去20年間、本当に多くのことを成し遂げてきた。一方のホンダは違う。彼らにもエンジンでの栄光があるが、チームとしては違う。その点で両チームは異なっているんだ。誰だってマクラーレンが毎年チャンピオンシップを戦うことは知っている。もしそうでなければ、何らかの深刻な問題が発生していることになる。僕は決してピットレーンの多くのチームがチャンピオンシップを戦えないと言っているのではないんだ。でも、このチームほど慣れていないと思う」
また、ホンダやブラウンGPでの過去も意義深いものだったと語る。
「ホンダやブラウンから何も得られなかったとは言っていないよ。僕はこれらのチームで自分自身の人間的成長、ドライバーとしての今の僕を作り上げることができたと思っている」
バトンの快進撃はこれからも続くのだろうか。少なくとも彼がチャンピオンシップの主役の一人に完全に名乗りを上げているのは確かだ。ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサ、ニコ・ロズベルグ、ミハエル・シューマッハにとっては厄介な敵の一人になるだろう。
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nien)
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