現役復帰を果たしたミハエル・シューマッハだが、彼は現時点ではドライバー組合、GPDAに加入していない。もちろん以前は加入していたが、今回の復帰にあたっては再加入するかどうかは決まっていないようだ。理由はいくつかあるようだが、ドイツの一部メディアは彼とGPDAの現会長ペドロ・デ・ラ・ロサの不仲が最大の理由と指摘している。あくまでもメディアの推測なので事実かどうかはわからない。しかし、シューマッハのマネージャー、ザビーネ・ケーム氏もシューマッハの再加入は未定、と述べている。
本来であればグリッド上のドライバー全員が加入すべき組合だが、義務ではないので所属しなくても構わない。
しかし、F1史上最強と称されるシューマッハが加入しない状態で居続けるのも問題かもしれない。あまりに未加入状態が長いとどこからか批判の声が出てくる可能性もある。それでも彼はかつてGPDAの復活に取り組んだ中心メンバーの一人であり、いまさら彼が再加入しないことで文句がでない可能性も否定はできない。
ケーム氏はシューマッハとGPDAの件について次のように述べている。
「彼は今でもGPDAを支持していますが、彼がもう一度加入するかどうかはわかりません。彼はこの分野で何年間も皆を率いてきましたし、実際のところ、彼の気持ちとしては他のドライバーに引き継いでもらいたいようです」
シューマッハとデ・ラ・ロサの不仲は2006年シーズンのモナコGP予選中に起きた出来事が発端となっている。シューマッハは予選終了間際にラスカスでマシンのバランスを崩してその場でマシンを止めた。これによってコースが塞がれ、後からアタックに臨んでいたフェルナンド・アロンソを妨害した形になった。シューマッハは予選タイムを抹消されたが、同時にデ・ラ・ロサは彼の行為に激怒し、彼をGPDAから退会させると抗議していたという。
だが、この件は結局シューマッハが故意にアロンソを妨害したのかどうかはわかっていない。例えば、エディ・ジョーダン氏などは彼を擁護する立場を取った。
しかし、現在の状況として彼とデ・ラ・ロサの仲が良くないのであればシューマッハがGPDAに再加入しない可能性は高いかもしれない。
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nien)
ブラジルの石油企業ペトロブラスがロータスとスポンサーシップ契約を結んだとブラジルの一部メディアが報じたことが明らかになっている。しかし、「UOL Esporte」は契約はまだ締結されておらず、目下の所、検討中だと報じている。いずれにしても、交渉が行われているのは事実だという。また、交渉が実を結べば、スペインGPからロータスのマシンにペトロブラスのロゴが掲載されることになる模様。
昨年のロータスは石油企業といえば、マレーシアの大手ペトロナスと手を組むことを目的に交渉を行っていたが、最終的にペトロナスはメルセデスGPを選んだ。
しかし、ペトロナスを手中に収めることに失敗したロータスだが、ことマーケティングに掛けては新規参戦チームの中では群を抜いて強い。ヴァージンもそうだが、ロータスの代表トニー・フェルナンデス氏も強力な体制を短期間に確立することに成功している。ペトロブラスとスポンサーシップを結ぶことができれば、財政的にも助かるだろう。
今回のペトロブラスとの契約は900万ドル(約8億1,500万円)と噂されており、高額の部類に入る。とは言え、別の報道では500万ドルとの話もあり、金額に関しては現時点では当てにならない。
いずれにしても交渉は今月末までの締結を目処に進められている模様であり、結果は近いうちに明らかになるだろう。
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nien)
フェラーリがヨーロッパ・ラウンドから、トヨタTF110に搭載される予定だったディフューザと同じ思想で設計されたスーパーディフューザを搭載したF10のBバージョンを投入する、という噂が過熱気味になってきた。この噂はオフの時からあったものだが、最近になって特によく話題に上るようになっている。バーレーンGPではフェルナンド・アロンソ、フェリペ・マッサのマシン、2台ともがエンジン交換の必要性に迫られたこともあり、フェラーリはマシンの冷却性能向上を急務と捉えているようだ。Bバージョンではこの問題の抜本的な解決も取り入れられる予定だ。
今回の噂の発端になったのはイタリアの「Autosprint」誌。
同誌は昨年12月にチームに加入した元トヨタのCFD専門家、ジュゼッペ・アッツォリーニ氏がBバージョンの肝と言われるスーパーディフューザの開発に携わっていると報じている。これも以前報じられた内容と同様だ。アッツォリーニ氏はトヨタで新車TF110の開発に従事していた為、彼が現在フェラーリで開発しているディフューザはTF110に搭載される予定だったものに酷似しているようだ。もちろん、必要な部分はF10向けに変更されているだろう。
Bバージョンの目玉はこのスーパーディフューザだが、全体的な空力向上、そしてエンジンの冷却効率の向上が見込まれたフォルムへのシャシーの設計変更も大きい。
チーム代表のステファノ・ドメニカリ氏はフェラーリが抱える問題について次のように述べている。
「エンジンの温度の問題はマシンの空力が原因になっている。次に訪れる灼熱レースでは今回のような問題が発生しないようにしなければならない」
Bバージョンがどのようなポテンシャルを秘めたシャシーになるのか注目したい。
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nien)
ザウバーは、今シーズン、「BMW」の名を残したままシーズンの開幕を迎えたが、いずれチーム名の変更を申請する予定であることが明らかになった。また、現在2011年シーズンからのタイトル・スポンサーを探し中であり、上手く行けばタイトル・スポンサーに前倒しでのサポートを依頼したい、と考えているようだ。現在のザウバーのマシンのカラーリングはほぼ真っ白であり、スポンサーロゴはほとんどない。シーズン中に増えることを期待したい。
ザウバーがチーム名に「BMW」の名を残した理由は、昨年までのテレビ放映権料を受け取る為である。
しかし、すでに2010年シーズンの開幕を「BMWザウバーF1チーム」として迎えた為、問題はなくなった。これにより、いずれザウバーはチーム名の変更を申請する事が可能になった。もちろん変更が適用されるのは来シーズンからとなるが、チーム代表のペーター・ザウバー氏は次のように述べている。
「名称の変更を申請する予定だ。ただ、時期は決めていない。今シーズン中のどこかで行うことになるだろう」
また、肝心のスポンサー探しについては次のように述べている。
「1月、2月にスポンサーを見つけることができなかった。特に、大手のスポンサーをね。だから残念ながら我々のマシンは真っ白だ。だが、我々は現在、2011年シーズンのスポンサーを探している。もちろん今シーズンのスポンサーも見つかるといい。おそらくだが、今年中盤に2011年のタイトル・スポンサーが見つかれば、彼らは今シーズンのサポートもしてくれるかもしれない」
日本からもスカルプDの商品名でスポンサードしているアンファーに続く企業が現れて欲しいものだ。
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nien)
事実がどうかは抜きにしてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコ氏はレッドブルがメルセデスからエンジンの供給を受けられなかった理由として自身の考えを示した。彼の言うことが本当の理由だったのかはわからないが、マルコ氏は、メルセデスはレッドブルにエンジンを供給することでより競争力を強めさせてしまうことを懸念したのだろう、と語っている。
マルコ氏は次のように述べている。
「彼らは我々にエンジンを供給したくなかったんだよ。別に傲慢な理由ではない。彼らは我々が彼らのエンジンを得た場合、トラック上で我々のマシンがはるか前方にいってしまうことを理解していたんだ」
レッドブルは昨シーズン、ルノー・エンジンのトラブルに苦しんだ為、メルセデスにエンジンをスイッチしようとして交渉を行っていた。ところが、メルセデスGPとマクラーレンがレッドブルへのエンジン供給を拒否したとされ、これが理由にエンジンを得ることができなかったとされている。
また、今シーズンもメルセデス・エンジンの優位性は依然として変わらず、と見られているが、それには彼らのエンジン開発が貢献しているようだ。エンジンの開発は基本的に凍結されているが、それでもメルセデスは規約の裏を掻い潜り、パフォーマンスを更に改善してきた、とマルコ氏は見ている。その為、彼はエンジンの条件を完全に同一化させることを目指している。
「ルノー、そしてフェラーリもだが、我々はエンジンの条件をより同一化させようと考えているんだ」
メルセデス・エンジンを積むマクラーレン、メルセデスGP、フォース・インディアは今年も調子が良さそうである。もちろん、開幕戦の時点では総合的なパフォーマンスではレッドブル、フェラーリが頭一つ抜けているように見えたが、レッドブルがエンジンの信頼性に不安を持っていることだけは間違いないだろう。
チーム代表のクリスチャン・ホーナー氏もマーク・ウェバーのマシンから白煙が上がった瞬間、またエンジンか? とフラストレーションが溜まったことを明かしている。
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nien)