2010年2月25日のニュース
FIAが24日、USF1の本拠に査察を行ったとの話が欧州の複数メディアで報じられている。査察にはFIAの技術代表チャーリー・ホワイティング氏も参加。彼が2010年シーズンに向けたUSF1の準備状況をチェックしているという。もちろん、査察が行われた理由は彼らの進捗状況が一向に見えてこないからだろう。USF1はプロジェクトが頓挫寸前にあると噂されており、今回の査察で不備が確認された場合、参戦権を剥奪される可能性が高い。
先日USF1のスタッフがAUTOSPORTに対して内部情報を明かしたばかりだが、再び内部からの新情報がAUTOSPORTに入ってきたようだ。それによればFIAがチームについて詳細に調査し始めたということだ。
その一貫として査察が行われ、ホワイティング氏はUSF1本拠を訪問中という。
開幕戦まで残された時間が少ないので、ホワイティング氏が見てマシンを間に合わせることのできない状態にあると確認された場合、USF1にとっては嬉しくない展開が訪れてしまうだろう。
なお、USF1もFIAも公式には査察の事実を認めていないようだ。
また、USF1は支援者であるYouTube共同創業者のチャド・ハーリー氏が主導してカンポスやステファンGPとの合併を画策しているとの噂もある。カンポスと合併した場合にはホセ・マリア・ロペスはブルーノ・セナと、ステファンGPと合併した場合には中嶋一貴とラインナップを形成することになると予想される。また、いずれにしてもUSF1が開発を進めてきたマシンはお蔵入りになるだろう。
(記事:
nien)
未だに参戦権を持たないステファンGPだが、新車S-01はすでに完成してエンジンの始動チェックが完了済みである。彼らの準備の進捗は明らかにカンポスやUSF1を上回っており、開幕戦バーレーンGPへの出走も可能性な状態にある。カンポス、特にUSF1は相変わらず危機的状況で、今週中にも参戦を断念することになる可能性が高いと見られている。今の複雑な状況、そして開幕戦への準備、ドライバー・ラインナップについてチーム代表のゾラン・ステファノビッチ氏が先週のAUTOSPORTへのインタビューに続き、今回はロイターに答えている。
ステファノビッチ氏はロイターに対して24日、次のように語った。
「バーレーンまでの時間が迫っているが、我々は何かが起きるのを待っている状態だ。バーレーンに出走するのであれば来週の水曜日までには荷造りをする必要がある。我々はそれまでには上手くいくのではないかと思っている」
開幕戦へ出走する為にはやはり早く参戦権を得る必要があるようだ。来週の水曜日には荷造りをするということは、それまでにはFIAから回答を得る必要がある。FIAは今週末に最終エントリーリストを発表する予定であり、実際にリリースされればUSF1とカンポスに関する結果が明らかになるだろう。ステファンGPの参戦も間に合うかもしれない。
また、ステファノビッチ氏は中嶋一貴のチームメイト候補としてジャック・ビルヌーブと交渉しているが、現時点では契約は締結されていないようだ。
「まだ契約していないが、彼がサインしてくれるだろうと思っている。おそらく2、3日以内に基本的な合意に至るだろうね」
ステファンGPのバックにはセルビア政府がついていることも広く知られているが、やはりステファンGPの挑戦は政府にとっても意義深いプロジェクトになるようだ。彼は次のように述べた。
「我々の影響は大きいと思うが、今のところセルビア人の多くには広く知られていない。しかし、F1の一員になった暁のポジティブな印象は国が求めてきたものだからね。とにかくプラスになることは間違いないんだ。それに、ハイテク・ビジネスに参入する大きなチャンスでもある」
順当に今週中に最終エントリーリストが発表され、USF1が参戦を断念した場合、早ければその直後、遅くとも来週中にはFIAからステファンGPへ参戦権が与えられることになるものと予想される。
実際にどうなるかはまだ何とも言えないが、いずれにしてもこれからの一週間は確実に山場となるはずだ。
(記事:
nien)
先日FIAの2010年エントリーリストにザウバーの名が掲載されていないことで欧州でちょっとした騒動になったと
この記事で報じたが、エントリーリストの更新が今週中にも行われる予定であることが明らかになっている。そしてそれはカンポス、USF1、ステファンGPによる参戦枠争いの決着がつくことも意味している。USF1のプロジェクトは頓挫寸前と見られているが、真に終焉を迎えるのも今週末かもしれない。もしくは大逆転もあり得るかもしれないが、それもすぐに判明するだろう。
GrandPrix.comのF1ジャーナリスト、ジョー・サワード氏は実際にFIAに対してエントリーリストの件を問い合わせている。その結果、FIAからは次のような回答が得られたということだ。自身の公式サイトで次のように報じた。
「エントリーリストの最終バージョンは今週末にも発行する予定です」
また、旧エントリーリストにはルノーのドライバー、ビタリー・ペトロフの名も載っていなかったが、これも修正される予定のようだ。もちろんザウバーも載る。ただし、ザウバーに関してはカーナンバーがいくつになるのかわかっておらず、カンポスやUSF1の状況次第とも言える。そして、彼らのエントリーに関しても今週末が期限の可能性が高い。サワード氏が問い合わせたFIAの担当者は次に更新されるエントリーリストを「最終バージョン」としており、これを言葉通りの意味として受け取っていいのであれば、期限は今週末のエントリーシート更新日となる。
カンポス、USF1、ステファンGPの3チームによる参戦権を巡る戦いも今週末に決着する可能性が高いということだろう。
今日明日、もしくは週末の発表に注目したい。
(記事:
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昨年末以降、F1チーム及び関係者はブリヂストンの2011年以降のF1参戦継続を実現する為にあらゆる手を検討し、努力を続けていると報じられているが、最近になって特にそのニュースが話題となった。これは韓国のクムホ、ハンコックの参入の可能性が小さくなったことが大きい。その為、チーム関係者はブリヂストンのコストを大幅に下げることを検討しており、慰留を図っている。ところが、噂に対して同社広報担当者から否定のコメントがなされたことが明らかになった。
ブリヂストンが撤退した後、F1は新たな公式タイヤサプライヤーを得なければレースを開催することもできなくなってしまう。ところが、以前立候補したと考えられていた韓国のクムホ、ハンコックの計画は真剣なものではなかったと言われている。また、フランスの大手ミシュランも復帰検討にはタイヤによる燃費改善とCO2削減効果を明確にデモンストレーションできるのであれば、と条件を付けている。
F1に新規参入する場合、じっくりと時間をかけたタイヤの設計・開発は当然として数多くのテストも必要となる。
信頼性テストを数多くこなすことはタイヤの品質を高めるための必須条件であり、これをクリアしなければどのようなトラブルが発生するかわからない。時速300km以上の速度でサーキットを走り回り、急加速、急減速を繰り返すF1マシンの命綱となるのがタイヤであり、タイヤのトラブルはドライバーの命までをも左右する。
本来であれば2011年シーズン開幕戦まで約1年となったこの時期にはとっくに新サプライヤーが決まっているべきである。現時点でタイヤメーカー内にF1タイヤ開発部隊が組織され、本格的に開発が進められていなければ2011年シーズンには間に合わないだろう。だが、現実にはそうなっていない。
その為、時間切れを恐れ、チームはブリヂストンの慰留に躍起になっている。
ところが、ブリヂストンの広報担当者はGPUpdate.netに対して次のように述べたようだ。
「FIA・F1ワールドチャンピオンシップと新たなタイヤ供給契約を交わすつもりはない。現行の契約は2010年シーズンを最後に満了する予定だ」
最近はカンポス、USF1の財政難がメディアの紙面の中心になっているが、実はタイヤ・サプライヤーの問題こそがF1界全体における最大の難題である。あと数ヶ月この状況のまま推移した場合、いよいよブリヂストンを慰留しなければ2011年シーズンが成り立たなくなるだろう。その時にはブリヂストンの年間コストを半減させる位の大規模な改革が提案されているかもしれない。年間20億円〜30億円で済むのであればブリヂストンも残留を真剣に検討する可能性があるだろう。現在のコストはその倍以上となっている。
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USF1と大型スポンサー契約を締結したスイス、ジュネーブに本拠を構える国際的金融企業ロックスタインが契約を白紙に戻したことを発表している。ロックスタインとUSF1の契約は推定1,000万ポンド(約14億円)と考えられていた為、USF1にとっては大打撃となる。USF1は高額持参金を持ち込むホセ・マリア・ロペスも離脱も確実となっており、一気に20億円以上の財源を失っている。
ロックスタインは声明の中で次のように述べた。
「我々ロックスタインはF1におけるスポンサーシップを含めた世界中のビジネスチャンスについて評価している。我々はUSF1とのスポンサー契約を結んだが、彼らが2010年シーズンの全戦に参戦できないことが明らかになったのでスポンサーシップを中止することを決断した。しかし、我々はUSF1の幸運を祈っている」
最後に幸運を祈ると締めているが、もはやUSF1には幸運は訪れない可能性が高い。
しかし、今でも僅かながら可能性はあるかもしれないので、USF1がどのような手を打ってくるのか注目したい。
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ザウバーの人事に大きな動きがあったことが明らかになった。テクニカル・ディレクターを務めているウィリー・ランプ氏が離脱し、後任にフォース・インディアの元テクニカル・ディレクター、ジェームズ・キー氏が就任する。交代人事は4月末に行われ、ランプ氏はそれまでは同職を継続、キー氏への引継ぎを行う予定。
ランプ氏は実績豊富なベテランの上、小林可夢偉を高く評価している人物の一人だっただけに離脱は残念でならない。しかし、後任のキー氏も昨年後半のフォース・インディアの快進撃の立役者の一人であり、その才能は高く評価されている。新生ザウバーの飛躍を託すに十分以上の人材だろう。
ザウバーへの移籍についてキー氏は次のように述べた。
「ヒンウィルの施設を初めて見た時にチャンスをハッキリと認識することができたんだ。風洞、スーパーコンピュータ、加工機械、専門知識、全てが非常に魅力的だった。このチームにはとても大きな可能性がある。そして現時点でもすでに良い位置にいる。私は過去12年間を過ごしたかつてのチームに感謝しているが、新しい挑戦を始めることをとても楽しみにしている。この素晴らしいチャンスを与えてくれたペーター・ザウバーとチームに感謝している」
また、彼の獲得を決めたチーム代表のザウバー氏は次のように述べた。
「彼は若い年齢(38歳)にも関わらず、すでに10年以上の経験を持ている。それに2009年のマシンはちょっとしたサプライズだったよ。彼はプライベートチームの出身で限られた予算内でする仕事の方法を知っている。ザウバーでは彼は高い技術レベルのチャンスに恵まれるはずだ」
そして長い間ザウバーを支えてきたランプ氏は次のように述べている。
「F1チームのテクニカル・ディレクターとは何よりも第一に仕事が優先で、それ以外のことの優先順位は低くなければやっていけない。私は10年間、情熱を持ってこの仕事に取り組んできたが、後任に任せる時期が来たのだと思っている。ペーター・ザウバーは私にモータースポーツの世界に入るチャンスを与えてくれ、チームで仕事をした時間はとても貴重なものとなった」
(記事:
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