長いオフも終盤に入ってきた。来週からはテストが解禁となり、毎週のように各地で合同テストが行われる。最初に予定されている合同テストは2月1日から3日までの3日間、スペイン、バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットだ。参加予定チームは7チームで、全チームが新車を投入する予定になっている。もちろん、ザウバーの小林可夢偉も2日に新車C29をドライブする予定だ。ファンにとってもオフ最大の楽しい時間の始まりだ。
ただし、今オフのテストでのタイム比較は例年以上に意味を持たないものとなるので注意が必要だ。
一般にテストではチームによってマシンのセッティング、タイヤ、燃料搭載量、テストプログラムが異なる為、基本的に同一条件でのタイム比較ができない。それでも、必ずどこかのタイミングで軽い燃料による予選シミュレーションが行われるのが通常だ。その為、ある程度テスト結果が出揃うとそれなりの比較検証ができるようになる。昨年もマクラーレンの不調やブラウンGP、トヨタ、ウィリアムズの好調さなどはテスト結果からも明らかだった。
その為、今年もテスト結果からある程度の勢力図を予想することはできるだろう。
しかし、先に述べたように例年ほどの精度は得られそうもない。
理由は今シーズンからレース中の給油が禁止となるためだ。このレギュレーション変更によってマシンの燃料タンクが大きくなり、レース中の燃料搭載量の変化も大きくなる。その為、テストにおいても燃料搭載量の条件の幅が増えてしまい、それによるタイム差は増大する。外からはどのチームがどれほどの燃料を搭載しているかはわからないので、純粋なタイム比較がより困難になってしまう。
とは言え、速いチームはやはり全体的に速さを示すはずであり、遅いチームも同様に常にタイムシートの下位に沈むだろう。ある程度は勢力図が判断できるはずだ。
来週のバレンシア合同テストでも新車のポテンシャルは見えるだろう。
なお、バレンシア合同テストのエントリーリストは以下の通りとなっている。ドライバーの担当はあくまでも予定なので変更される可能性もある。
注目はハミルトン vs バトン、ロズベルグ vs シューマッハ、アロンソ vs マッサ、デ・ラ・ロサ vs 可夢偉、バリチェロ vs ハルケンベルグといったチームメイト対決か。また、当然ながらウィリアムズのコスワース・エンジンの競争力にも注目が集まるだろう。
■マクラーレン
・1日:ゲイリー・パフェット(テストドライバー)
・2日:ルイス・ハミルトン
・3日:ジェンソン・バトン
■メルセデスGP
・1日午前:ニコ・ロズベルグ
・1日午後:ミハエル・シューマッハ
・2日:ニコ・ロズベルグ
・3日:ミハエル・シューマッハ
■フェラーリ
・1日:フェリペ・マッサ
・2日:フェルナンド・アロンソ
・3日:フェルナンド・アロンソ
■ウィリアムズ
・1日:ルーベンス・バリチェロ
・2日:ルーベンス・バリチェロ
・3日:ニコ・ハルケンベルグ
■ルノー
・1日:ロバート・クビサ
・2日:ロバート・クビサ
・3日:ロバート・クビサ
■トロ・ロッソ
・1日:セバスチャン・ブエミ
・2日:セバスチャン・ブエミ
・3日:ハイメ・アルグエルスアリ
■ザウバー
・1日:ペドロ・デ・ラ・ロサ
・2日:小林可夢偉
・3日:ペドロ・デ・ラ・ロサ
(記事:
nien)