ルノーの二人目のレースドライバーの発表が延びている。チーム代表のエリック・ブイユ氏はまだドライバーを決めていないという。場合によっては月末までに決まらずに2月に延びてしまう可能性もでてきている。とは言え、最終候補が二人のベテランと二人の若手に絞られてきていることは明らかになった。そして、そのドライバーはニック・ハイドフェルド、クリスチャン・クリエン、ビタリー・ペトロフ、ロマン・グロージャンである可能性が高そうだ。
2月1日からF1のテストが解禁となる為、本来であれば今月中にはドライバー・ラインナップを決めておきたいはずだ。シート合わせの必要も考えれば、できれば今週中には決めたい、というのが本音だろう。
しかし、ブイユ氏は「AUTOSPORT」に対して次のように述べている。
「正直に言えばまだなんだ。テスト前には決定したいんだがね。出来なかった場合にはロバートが一人で開発を始めることになるだろう」
では、現時点での候補はどうなっているのだろうか?
「市場にでている複数人のドライバーを検討している。そのうちの二人は経験豊富で、もう二人はルーキーだ。我々は最後の既存チームだね。今の我々は二つのことに専念している。一つ目はチームに安定を取り戻し、モチベーションを上げることだ。二つ目はスポンサー探しだ。これらが整えばドライバーも決定できる」
彼は候補を4人と語った。二人のベテランと二人のルーキーだ。グロージャンがルーキーの枠に入るかどうかはわからないが、入っていなければすでに候補リストから脱落したことになる。
しかし、ブイユ氏は次のようなコメントもしている。
「国籍は関係ない。これはルノーの長年の方針だし、パートナーのトタルもチームの方針に口を挟むことはない。全てはチームにとって何がよいかだ。ドライバーはフランス人かもしれないし、ロシア人、中国人、ドイツ人、オーストリア人、もしくは他の国でもかまわない」
彼がここで挙げた国の名前はある程度適当なものだろう。それでも、完全にデタラメというわけでもないはずだ。過去に候補に挙がったことのあるドライバーの国を指しているのは確かだろう。そして、フランス人はグロージャンを、ロシア人はペトロフ、中国人はホーピン・タン、ドイツ人はハイドフェルド、オーストリア人はクリエンを指している可能性が高い。
彼の挙げた国の名前と先に示した二人のベテランと二人のルーキーという言葉を考慮すると、最終候補はハイドフェルド、クリエン、ペトロフ、加えてもう一人のルーキーということになるだろう。ペトロフ以外のルーキーがグロージャンなのか別の誰かなのかはわからないが。別の誰かとすればジェローム・ダンブロジオかホーピン・タンとなりそうだ。
日本のファンの多くは佐藤琢磨の可能性を期待しているかもしれないが、ブイユ氏の話を見る限り、可能性はすでに消滅したように見える。もちろん、二人のベテランのうちの一人がクリエンではなく琢磨を指している可能性もある。だが、クリエンは今でも2チームと真剣な交渉をしている、と語っている。彼の話が事実なら、ベテランの一人がクリエンなのは間違いない。そして、ハイドフェルドも間違いなく最終候補に残っている。それはブイユ氏が認めているからだ。
「否というのは嘘になるね。彼はリストに含まれているよ」
ハイドフェルド、クリエン、ペトロフ、おそらくこの三人の誰かがシートを獲得するのだろう。
一体誰になるのか注目したい。
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nien)
F1のストーブリーグもほぼ終わりに近付いており、今や空いているシートは4つのみとなっている。カンポスに一つ、USF1に二つ、ルノーに一つだ。トロ・ロッソの一つも決定はしていないが、ハイメ・アルグエルスアリの残留が濃厚だ。しかし、この状況下にありながらクリスチャン・クリエンはまだチャンスを掴み取ることのできる可能性が消えていないようだ。クリエンは今でも2チームと真剣な交渉を継続していることを明かした。
昨年12月の時点ではクリエンと最も関連付けられていたチームはリザーブドライバーを務めていたザウバーだ。
ところが、ザウバーの二つ目のシートはペドロ・デ・ラ・ロサに決まった。彼自身、デ・ラ・ロサが有力なライバルであることには気付いていたという。彼は次のように述べている。
「シートの主なライバルはペドロ・デ・ラ・ロサだとわかっていたよ。おそらくこれほど決定が遅れたのはペーター・ザウバーにとっても簡単な選択じゃなかったからだろう」
ザウバーのシートを得るチャンスを失ったクリエンだが、今でも2チームと交渉中だという。
「2009年シーズンの時から複数のチームから接触を受けていた。今僕はそのうちの2チームと真剣な話をしている。とにかく明確な目標はレースをすることだよ。今ではテストが制限されているからテストドライバーの仕事は以前ほど魅力的じゃないんだ。もちろんそれでもその選択肢を検討する必要はある。昨シーズンなんて5人ものリザーブドライバーがレーシングドライバーの代役を務めているからね」
クリエンはルノー、カンポスと交渉中と見られているが、2チームのレースシートを得る事ができなかった場合には、リザーブドライバー、もしくはテストドライバーのオファーを探っていくことになるだろう。
昨シーズンのF1ではハイメ・アルグエルスアリ、ロマン・グロージャン、ルカ・バドエル、ビタントニオ・リウッツィ、小林可夢偉がシーズン途中でレースシートに座っている。今シーズンもドライバーの途中交代がある可能性は十分に考えられる。
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nien)
カンポス、USF1がドライバーの持参金を当てにしていることはすでに広く知れ渡っているが、両チームとも要求額が500万ドル(約4億5千万円)に上ることが明らかになっている。両チームとレースシートに関する交渉を行ったオランダ人ドライバー、ロバート・ドーンボスが明らかにした。
過去にミナルディからF1に参戦した経験もあるドーンボスは今ストーブリーグでF1復帰に関してカンポス、USF1と交渉したという。ドーンボスは「nusport.nl」に対して次のように述べている。
「チャンスがあるかどうか検討した。僕に関心を示してくれたUSF1とカンポス・メタと交渉をした。でも、彼らはスポンサーシップとして500万ドルを要求してきた。そんなお金があったら、F1に戻らないでインディカー・シリーズでトップになる方がいいよ」
なお、USF1への加入が濃厚と見られているホセ・マリア・ロペスは800万ドルとも1,100万ドルとも言われるほどの額のスポンサーシップを持ち込むものと見られている。それに加えてセカンドドライバーが500万ドルを持ち込めば、チームにとっては予算確保に向けて助けになるだろう。
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ミハエル・シューマッハがカーナンバーの交換を望んでいることが明らかになっている。現時点では今シーズン、カーナンバー3をチームメイトのニコ・ロズベルグが、シューマッハは4をつける予定になっている。しかし、シューマッハにとって偶数はあまり縁起の良い数字ではない。彼はカーナンバー1で5回、3と5で1回ずつワールドチャンピオンに輝いている。全て奇数ナンバーの時のことだ。偶数ナンバーの時にはタイトル獲得に失敗しており、彼は復帰初年度となる今シーズンも奇数ナンバーを望んでいる。
ドイツの「Bild」紙に対してシューマッハは次のように述べている。
「ロス(チーム代表のロス・ブラウン)は僕が奇数を好んでいることを知っている」
ジンクスや縁起を気にするスポーツ選手は多くいるが、シューマッハもその一人のようだ。カーナンバーの変更をロズベルグが呑むかどうかはわからないが、ブラウン氏とシューマッハの関係を考えれば、ブラウン氏が変更を決定してもおかしくないだろう。
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nien)
ネルソン・ピケ・ジュニアは今シーズン、米NASCARへ転向するが、F1のストーブリーグでもキャリアを継続できるチャンスがあったことが明らかになっている。ピケにはカンポスを始め、いくつかのチームに加入するという噂があった為、上手くいけば2010年シーズンもF1のグリッドにつくだろうと見られていた。ところが、ピケは数回のNASCARのテスト参加を経て、活動の場を移すことを決断した。
ピケは都合3回NASCARのテストに参加している。先週も米フロリダでテストを行った。
そして、最終的にはNASCARへ転向するというチャンスを気に入ったようだ。彼は今ストーブリーグについて次のように述べている。
「僕が望めばF1に残ることもできたんだ。あるチームがオファーをくれたからね。でも、僕はもうF1にはうんざりしていた。F1のあらゆることにね。(NASCARは)マシンの技術レベルについてはステップダウンに見えるかもしれない。でも、このスポーツがとても大きなものだということをキチンと理解していれば、キャリアにおいてF1よりも厳しいものになるかもしれないと思っている」
シングルシーターのフォーミュラ・シリーズからNASCARへの転向は簡単なものではなく、ファン・パブロ・モントーヤも当初は苦労していた。ピケが新天地でどのようなパフォーマンスを見せるのか注目となるだろう。
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ペドロ・デ・ラ・ロサがザウバーのレースシートを獲得するまでには紆余曲折があったようだ。デ・ラ・ロサの名は昨年からストーブリーグの噂の中で度々挙げられていたため、当初からザウバーの有力候補の一人だったことは間違いないようだが、ここ最近はジャンカルロ・フィジケラが当確という見方が強かった。本人も最近までシート獲得が実現する可能性の低さを感じていたと明かしている。
2006年シーズンに途中離脱したファン・パブロ・モントーヤの代役として8戦に出走してはいるが、近年のF1でのレース経験は少ない。マクラーレンで7年間のテストドライバー経験があるとはいっても、実績を見ればフィジケラに軍配が上がるのは誰が見てもわかること。その為、ここ最近はフィジケラがザウバーに加入する可能性が高いと考えられていた。
そして、それを裏付ける話もあった。
彼はマクラーレンで2月1日に新車MP4-25をテストドライブする予定になっていたことだ。
ジェンソン・バトンがオートスポーツ・インターナショナルショーで最初の合同テストの担当予定を聞かれ、こう答えた。最初はデ・ラ・ロサ、次にハミルトン、最後に自分、と。この発言によりデ・ラ・ロサのマクラーレン残留は決定事項と捉えられた。ところがだ。それからあまり時を空けることなく、ザウバーからデ・ラ・ロサの加入が発表された。
デ・ラ・ロサの起用自体には特にサプライズはなかったが、最近の噂話の展開には少々のサプライズがあったといえる。
デ・ラ・ロサはスペインの「EFE通信」に対して次のように述べている。
「実は昨日は可能性が消滅していると思っていた。それが土壇場になって全てが変わったんだ。すごく嬉しいし興奮している。まるでジェットコースターのようだったね。時には近付いたように見え、時にはそうではなく見えた。最後は本当に嬉しい驚きだったよ」
それでもデ・ラ・ロサは長年共に仕事をしてきたマクラーレンへの愛着を強く持っていることも明かしている。
「彼らとは人生のなかで素晴らしい時を共に過ごしてきた。友人も多い。彼らがもしも僕に対してドアを開けておいてくれるのならば、いつか戻って再び共に仕事をすることもあるかもしれない」
デ・ラ・ロサのF1でのキャリアは必ずしも恵まれたものではなかったかもしれないが、38歳にしてようやく本当のチャンスが巡ってきたことになる。彼がこれから今シーズン、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみである。日本で活躍していた頃の素晴らしい強さを再び発揮してほしい。
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nien)