小林可夢偉、素晴らしいパフォーマンスを見せたヨーロッパGPを振り返る
2010年06月29日 20:51:11 (記事: nien)
ヨーロッパGP決勝レースでの小林可夢偉のパフォーマンスは素晴らしかった。多くのファンが「これを待っていたんだ!」と喜んだはずだ。レースの大半を3位のポジションで過ごした可夢偉は、ピットでのタイヤ交換後に入賞圏内に留まれるよう、タイヤをコントロールしつつペースをキープ。終盤のタイヤ交換後に9位のポジションでコースに復帰した可夢偉は最後の2周で前を行くフェルナンド・アロンソとセバスチャン・ブエミをパス。自力で7位にまで順位を上げて獲得できるポイントを増やすことに成功した。このパフォーマンスにはチーム代表ペーター・ザウバー氏も手放しで褒め称えた。
ここではこのレースに関する可夢偉のレポートの概要を紹介したい。以下、その概要。
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最終コーナーでブエミを抜いたとき、実はあれが最終ラップって知らなかったんです。まだあと、1〜2周はあるだろうと思っていたんですけど、そうしたらピットウォールでチームのみんながすごい勢いで手を振っていたので、あ、もう終わりなんやと (笑)。
決勝ではペドロと戦略を分けて、僕は硬い方のプライムタイヤでスタートして、できるだけ長く走って、路面がよくなるレース終盤に柔らかい方のスーパーソフトに履き替える作戦にしました。正直、あそこまで行けるとは思っていませんでしたけれども。
3番手を走っているときのペースは、正直自分でも驚いています。とにかく周りのペースにまどわされずに自分のペースでタイヤをマネージメントして、オーバードライブしないように気をつけていました。毎ラップどんどん速くなっていくので、去年トヨタでレースをしたアブダビを思い出しました。途中、前で周回遅れの2台がバトルしていて全然譲ってくれないし、目の前でぶつかるし、僕も巻き添えで追突しそうになりました。あのときが一番ドキっとしましたね。
53 周目のピットインは、正しい判断だったと思います。もしかしたらもっと早く入って抜きにいく方向でもよかったかもしれないですけど、それは終わってからのことなんで。アロンソはあそこで抜こうと思っていたんですけど、いまいちスピードが伸びなくて、ストレートエンドで思っていたほど近づけなかったんです。 ただ、彼のブレーキングがすごく早いのは分かっていたので、飛び込んだら最初はドアを締めてきたんですけど、うまく抜けました。ブエミも最終コーナーで狙っていました。とにかく最終的に抜けたのはよかったですね。
予選があんな結果だったし、僕はレースは週末通しての評価だと思っているので決して満点ではないです。ただ、順位よりも今回はレースでうまくタイヤを使えたというのがうれしい。F1のタイヤは使い方はすごくむずかしくて、また違うコースにいくと違う使い方がある。だからこれからのレースでも僕たちは何ができるかを探して、それをきちん実行できれば、もっとチャンスがあると思います。
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