マクラーレン、革新的新車MP4-25を発表
2010年01月30日 00:05:41 (記事: nien)
マクラーレンは29日、イギリス、ニューベリーにあるチームのタイトルスポンサーを務めるボーダフォンの本社で新車MP4-25の発表会を開催した。発表会にはルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトン、チーム首脳陣が出席し、メディア関係者も参加した。また、フェラーリ同様発表会の模様をインターネットで生中継。フェラーリは世界中から約300万のアクセスが集中し、中継を見られないファンが多かったが、マクラーレンは回線の混雑こそ見られたが、特に大きなトラブルは発生しなかったようだ。
新車MP4-25の写真は[[こちらから]]ご覧になれる。
前日に発表されたフェラーリの新車F10がオーソドックスなスタイルを採用したのに比べるとMP4-25は野心的だ。昨年のレッドブルのマシン、RB5から良い所を盗んでいるのもF10と同様だが、オリジナルなアイデアも沢山盛り込まれている。フロント・ウィングのエレメントは多数設置され、また複雑なフォルムをしている。ノーズ高はフェラーリ同様、こちらも目一杯高くもってきている。また、ダミーカメラもフェラーリ同様、ウィング・ステー途中にまるでエレメントのような形で取り付けられている。パッと見はもはやウィングだ。
フロント・サスペンションも角度が大きく取られ、空力が重視される設計になっている。
面白いのがブレーキダクトで、フェラーリは一見すると見えにくい位置にあるが、マクラーレンは上部にもってきた。フェラーリは上部には小型ウィングのような形状のパーツを形成し、下にダクトを設置しているが、マクラーレンはダクトを空力パーツと兼ねた格好になっている。当然ダクトに取り込まれるエアはフェラーリがフロントウィング下部から流れる者であるのに対して、マクラーレンは上面から流れるエアになる。どちらがいいかはまだわからない。今シーズンは給油禁止になることで搭載燃料が大幅に増える。それによってブレーキに非常に厳しくなるため、ブレーキダクトの設計はこれまで以上に大切になる。ここは恐らく今シーズンの開発ポイントの一つになるだろう。
そして特徴的なのがサイドポッドだ。外観としては昨年のレッドブルのマシンと似ていて、後方に向けて大きく沈み込んでいる。また、ラジエーター開口部が非常に小さい。これは明らかにメルセデス・ベンツ・エンジンの恩恵だろう。メルセデス・ベンツ・エンジンは冷却性能に長けており、冷却のためのエアの要求が少ないと言われている。
リアもMP4-25は特徴的だ。こちらもレッドブルに倣い、シャークフィンとリア・ウィングを一体化させている。フィンを長く伸ばし、ウィング中央部と結合させる形だ。ウィングのステーは左右2本ではなく、中央に1本の方式を採用している。もちろん空力を考えドラッグが大幅に減る。
結果的にこのマシンの競争力が高いかどうかはまだわからないが、少なくともフェラーリF10よりは先進的に見える。昨年のマクラーレンは冬のテスト開始時からリアのダウンフォース不足で躓いたが、今年はまずまず良い発進をしそうだ。来週のテストを楽しみにしたい。
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