デ・ラ・ロサ、土壇場の逆転劇だったと語る
2010年01月20日 19:42:00 (記事: nien)
ペドロ・デ・ラ・ロサがザウバーのレースシートを獲得するまでには紆余曲折があったようだ。デ・ラ・ロサの名は昨年からストーブリーグの噂の中で度々挙げられていたため、当初からザウバーの有力候補の一人だったことは間違いないようだが、ここ最近はジャンカルロ・フィジケラが当確という見方が強かった。本人も最近までシート獲得が実現する可能性の低さを感じていたと明かしている。
2006年シーズンに途中離脱したファン・パブロ・モントーヤの代役として8戦に出走してはいるが、近年のF1でのレース経験は少ない。マクラーレンで7年間のテストドライバー経験があるとはいっても、実績を見ればフィジケラに軍配が上がるのは誰が見てもわかること。その為、ここ最近はフィジケラがザウバーに加入する可能性が高いと考えられていた。
そして、それを裏付ける話もあった。
彼はマクラーレンで2月1日に新車MP4-25をテストドライブする予定になっていたことだ。
ジェンソン・バトンがオートスポーツ・インターナショナルショーで最初の合同テストの担当予定を聞かれ、こう答えた。最初はデ・ラ・ロサ、次にハミルトン、最後に自分、と。この発言によりデ・ラ・ロサのマクラーレン残留は決定事項と捉えられた。ところがだ。それからあまり時を空けることなく、ザウバーからデ・ラ・ロサの加入が発表された。
デ・ラ・ロサの起用自体には特にサプライズはなかったが、最近の噂話の展開には少々のサプライズがあったといえる。
デ・ラ・ロサはスペインの「EFE通信」に対して次のように述べている。
「実は昨日は可能性が消滅していると思っていた。それが土壇場になって全てが変わったんだ。すごく嬉しいし興奮している。まるでジェットコースターのようだったね。時には近付いたように見え、時にはそうではなく見えた。最後は本当に嬉しい驚きだったよ」
それでもデ・ラ・ロサは長年共に仕事をしてきたマクラーレンへの愛着を強く持っていることも明かしている。
「彼らとは人生のなかで素晴らしい時を共に過ごしてきた。友人も多い。彼らがもしも僕に対してドアを開けておいてくれるのならば、いつか戻って再び共に仕事をすることもあるかもしれない」
デ・ラ・ロサのF1でのキャリアは必ずしも恵まれたものではなかったかもしれないが、38歳にしてようやく本当のチャンスが巡ってきたことになる。彼がこれから今シーズン、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみである。日本で活躍していた頃の素晴らしい強さを再び発揮してほしい。
このページの先頭へ戻る▲
|