ロマン・グロージャン、ルノー残留遠のく
2010年01月08日 03:37:15 (記事: nien)
2007年にF3ユーロシリーズを制し、2008年にはGP2アジアシリーズの初代王者、メインシリーズでも堂々の4位、2009年もシーズン途中までいい戦いを続けていたルノー育成プログラムのホープ、ロマン・グロージャンはネルソン・ピケ・ジュニアの途中解雇によって思わぬ形でF1昇格のチャンスを得た。本来ならば2010年シーズンからの昇格と見られていたが、予定よりも半シーズン早くF1のシートを得たことは当時幸運と見られていた。
ところが、シーズン終了後、当時幸運と見られていたチャンスは実は不運だったのかもしれないとの見方が強まっている。
シーズン中のテストが原則として禁止されている現行レギュレーションの影響でグロージャンは過去にF1テスト経験を持つものの、ほぼぶっつけ本番でF1のGPウィークに挑戦しなければならなかった。経験不足はすぐに露呈され、彼はデビュー戦以降最終戦アブダビGPまでの間、一レースも印象的なパフォーマンスを残すことができなかった。彼が冬のオフテストで十分に走りこんでいればこのような結果にはならなかったと見る向きもある。であれば、突然のデビューチャンスは決していいものとは言えないだろう。
もちろん、注意深く彼のパフォーマンスを検証すれば褒められるべき点もあるかもしれないが、彼の今の評価が決して高くない事実は変わらない。今ストーブリーグでも彼の名がルノー以外のチームの候補に挙げられることはなかった。そして彼をアラン・プロストに続く次期フランス人スターに育てるべくここまで長年サポートしてきたルノーにも見捨てられそうになっている。
ルノーの新チーム代表に就任したエリック・ブイユ氏はグロージャンの継続起用の可能性がとても低いことを明かした。
「いくつかの可能性がある。その一つはフランス人だ。しかし、その話の可能性は一番低い」
ブイユ氏はロバート・クビサのチームメイト候補を十人から五人にまで絞り込んだことを明かしており、その最終候補にグロージャンが入っていることは確かなようだ。しかし、ブイユ氏はクビサに並ぶパフォーマンスをチームメイトになるドライバーにも求めており、グロージャンでは役者不足と感じているようだ。同様にホーピン・タンやジェローム・ダンブロジオといった新人ドライバーもリスクがあるため、2010年シーズンでの起用は敬遠しているようだ。とはいえ、彼ら二人はルノーの共同オーナーであるジェニイ・キャピタル傘下のマネジメント企業グラビティ・スポーツの契約下にあるため、大抜擢の可能性はあるだろう。
次世代のスター候補だったグロージャンが僅か半シーズンのキャリアでF1を終えるのは正に意外な結末である。
彼がシートを失った後、ティモ・グロックのようにF1に戻ってくることができるのか注目したい。
とはいえ、まだ正式に決まったわけではないのでルノーの発表をまずは待ちたい。
(参考情報:、関連情報:特になし)
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